FAQ一覧

測定画面について


ジェイコア

ホームページのヘッドページに掲載して居ります、画像はジェイコアの測定画面で3mmΦのボールエンドミルを測定している画面です。

ジェイコア測定画面

画像クリックで拡大します。


工具長・工具径は勿論のこと、工具が加工回転数で回転している際の最大エッジを捉え、形状(例えばこの画面ではボールエンドミルの先端180°の座標値)までも測定しております。また測定結果は画面にも御座いますようにLANを通じてNCの変数領域に自動で転送致します。
ジェイコア専用WEB

 

ツールセッター

下記の画像は機上ツールプリセッターTSシリーズの測定画面です。

ツールセッター測定画面

画像クリックで拡大します。


ジェイコアと同様に工具長・工具径のみならず、サチュレーション時間(工具の伸び等が安定するまでの時間)なども加工前にATCに格納されている工具を全数、自動で測定し、NCの変数領域に自動で転送致します。(勿論CAMを稼働させているPCへも転送が可能です)実機上で実際の加工回転数で測定が可能なため、今まで勘などに頼っていた工具の伸び、振れ等まで正確に把握することが出来ます。
ツールセッター専用ページ

2020年01月21日

表面処理品等の運送会社について

表面処理品やサンプルワーク等、弊社へご送付賜る際にお客様によって様々な宅配便企業様を御利用になられると存じます。

特に表面処理品等は午後一番で洗浄工程に回されますので、午前中に到着しませんと翌日のロットになってしまいます。翌日AM着が可能な地域で確実に午前中に到着しますのは、ヤマト運輸の宅急便のみです。(今の所、延着の実績は御座いません 大雑把な運送会社ですと午前中どころか翌日の午後ということもございました)

延着に関する納期の担保は出来かねますので何卒宜しくお願い申し上げます。

2020年01月15日

モニターキャンペーンについて

機上ツールプリセッター

 

現在行わさせて頂いておりますモニターキャンペーン(2019/12/2~2020/3/31)は、新製品、特に今までに市場に存在していなかった画像式機上ツールプリセッターの使い勝手や操作性を更に向上させる目的で開始しております。故に製品に与えられる改良点については、モニターキャンペーン中にご購入された後でも無償でご提供させていただきます。(将来におけるバージョンアップとは異なります)従いまして採算とは別の事業活動となっておりますので、3月末以降の導入計画やお見積り依頼に関しましては標準価格でのご回答をさせて頂いております。また期間中であってもキャンペーンロット完売時に機種ごとに随時終了させて頂きます。ご理解賜れますと誠に幸甚です。

参考になるご意見やご希望を承るお客様には感謝に絶えません。本当に有難うございます。頂いたご希望を元に改良すべく日々実験と開発を継続し、お客様へ配布させて頂きます。今後とも何卒宜しくお願い致します。

機上ツールプリセッター
2019年12月11日

ツールプリセットとは 4

それから長い年月が経ち、経営者側になった今だから判ることが有ります。結果として企業として存続させて頂きましたので、ときの経営者の判断は決して間違っては居なかったであろうと思えます。しかしそれは同時に現状維持であって、進化、進歩させるような経営では無かったであろうと振り返ります。

勿論、現状維持だけでも難しいことも承知しておりますし、それは経営者や社員の努力で成り立ってきたと確信もしております。しかし、私達ベテランと呼ばれる年齢層の人たちが陥りやすい思考が有ります。それは「今までも、これで立派に熟してきたからこれからも同様」と考えてしまうことです。

私達が下っ端で有った頃、経営者だった方たちはNCでは無い、フライスや旋盤で素晴らしい製品を製作されて来られた方々です。しかし時は移ろい、要求されるコストや精度、納期、性能までも上がってきているのが現状です。特に不良品を出さない、あるいは工期を短縮させるツールプリセット技術は進化させねばなりません。その意味では現状維持は市場における退化を促してしまいます。

 


弊社では、ジェイコアで培った技術と性能を搭載した、安価でお客様自身が設置可能でNCに工具長・工具径等を通信し代入させる機上ツールプリセッターを販売します。お気軽にご連絡賜れますと誠に幸甚です。

 

機上ツールプリセッターとは
機上で加工テーブルに設置し、実際の加工回転数にて画像技術を用いて実際の主軸の伸びや振れ周りを含めた工具長・工具径等を測定時間1本/10秒程度で測定し分解能0.1μmでNCの変数領域(一般的には工具長・工具径領域ですがご希望があればCAMにも書き込めます)に自動で書き込みます。マシニングセンターのATCおよび駆動軸を利用するため非常に安価でシステムが構築出来ます。ATCポッドに格納されたツールを全自動で順次測定します。20本の工具を10分程度で測定しますので暖機運転をしながら無人で測定を同時に行えます。外段取りとは異なる実際の加工条件に近い環境で測定を行いますので高い精度を追求できます。
サイズ W:190 W:50 D:98mm
*ジェイコアとは異なる製品です。(通信可能なNCについてはお問い合わせ下さい)

1へ

2019年11月22日

ツールプリセットとは 3

そんな作業が5年ほど続き、私も役職という肩書で残業カットとなり、大きな展示会等にも経営者と同行して行けるような立場となりました。しかし、その展示会で私は見つけてしまいました。画像を用いたツールプリセッターです。


なんということでしょう~工具を載せて画面に映るところまで手動でカメラを移動させると自動で工具を回転させて、工具長・工具径そして必要であればノーズRや刃先の角度まで測定してくれるではないですか!!私は1も2も無く、「これを買ってください」と懇願しました。経営者は静かに頷き、展示者の説明員に価格を尋ね(「そこかよ」と突っ込みたくなりました)何事も無かったように一人で去って行きました。

確かJIMTOFであったと記憶しております。展示場から帰る道すがら(当時、工場まで400km近く有ったのですが経費の関係で車で移動しており、肩書がついているにも関わらず一番下っ端でしたので運転しながら)どんなに工数が低減できるか、また誰が測定しても結果に差異が出ないことがどんなに素敵なことか、更にはノーズRや刃先角度(摩耗なども関連しますね)が測定できることで不良がどれだけ減るかを力説しましたが、後部座席から返事はなく寝ているようでした。(ドラクエで言うと「しかばねのようだ」状態です)

次のJIMTOFで再挑戦と心に誓い、2年を過ごしましたが、大きな展示会ですと、加工機械や工具が展示されている棟と測定器が展示されている棟は異なっており、私達は測定器が展示されている棟にさえ、時間切れの名目で行けず野望は砕け散りました。余談ですが、同じ棟に有ったほうが売上が上がると思うのですが。

4へ

2019年11月22日

ツールプリセットとは 2

1のように機内で測定しておりますと、そのあとに暖機運転を行わなければならず、段取りに時間がかかり過ぎだと、お叱りを受けるようになりました。(実際に工場長などが測定すると1本あたり2~3分で測定されておられており、その点で怒られもしましたが、お給料は3倍以上違いましたので、実際には私の方がコストパフォーマンスは優れている!!と心のなかでは叫んでおりました)

そこで機外測定(外段取り)をしようという話が私の居ないところで決まりました。メカニカルツールプリセッターという機器を用いて加工機械外で測定を行いますので加工や暖気運転時間等に影響を与えません。更に工具径まで測定できるということで「今度は径方向の補正も出来る」とみんな(結果的に私以外)は大喜びでした。確か70万円程度であったと記憶しております。そして下記の写真のようなメカニカルツールプリセッターが突然導入されました。(納品されるまで知りませんでした。当時のモデルは廃盤となってしまっておりますので似たモデルを載せております)


Z軸とX軸にスケールが貼られており、先端にダイアルゲージが設置してあり、スケールの値とダイアルゲージの値を加減算(勿論、手計算で)して工具長と工具径を出すというとても画期的(???)な機器でした。例えば工具長を測定する場合はZ軸を大凡の位置まで手動で動かし、ダイアルゲージの接触子を先端に当てて数値を読み、Z軸スケールの値と取り足し引きして工具長を算出させます。(計算間違いの機会が増えました)しかも工具によって頂点となる部分が異なりますから、合わせるのも一苦労です。

工具長だけでも大変なのに、今回から工具径まで測定するというお仕事までが増えました。工具長はまだ良いのですが、径の場合、最大径になる部分に工具を回転させて合わせなければならず、しかも工具によって最大径になる部分は異なりますので、工具を手動で回転させながらX軸だけでなくZ軸も動かしながら最大値になる部分を探さなければなりません。なんということでしょう~会社の人は技術革新だと喜んでおられましたが、タッチセンサーの時より工数が大幅にアップ(決して向上ではない)致しました。

1本測るのに慣れてきても7~8分(これでも誰が測るよりも速くなりました)更に、当時、マシニングセンターの数が2台から3台に増え、しかも新しい機械はBTチャックからHSKになっておりツールプリセッターのツーリング固定治具も都度交換しなければならず、また、チャックが汚れていると(切子や油です)測定結果に誤差が発生するため毎回洗浄しなければならないという誰も聞いてくれないお仕事までが増えました。

↑BTチャック

↑HSKチャック

↑BT用洗浄用治具(この他にHSK用もございます)

にも関わらず、時間がかかり過ぎだと叱られ、ATC12本×2台だった本数がHSKチャックの機械はATCが16本だったため最大で、40本の測定がいつのまにか私専任の仕事になっていました。就業時間中(当時は8:00~17:00)での作業は、「お金にならない作業よりも物を作れ」と却下されたため、仕方なく残業時間に一人寂しく電気が自分の周り以外消された現場で測定しておりました。

それでも測定している時は、静的、当然ながら主軸につけているわけではないですし、1(初級編)で使用したタッチセンサーも主軸は止めて居りますので、実際に加工する際には主軸が伸びてしまい実質的な工具長は変わってしまうため、今考えますと目安程度でしか無かったですね。段差や誤差が出るたび測り方が悪いと怒られました。思い出しますと理不尽です。

振り返り少しだけ工数計算してみたいと思います。(今更ですが)当時のお給料は20万円(基本給)程度で月に24日程度働いておりましたので日給は8,330円程度、8時間稼働でしたので時間給は1,040円になります。(実際は残業時間に行っておりましたので、もう少しだけ高いとは思いますが)一方で7分に1本測定するとしますと、1,040円÷60分×7分ですから1本あたり測定するのにかかる労務費は121円です。

これを毎日40本×24日×12ヶ月では、年間で1,393,920円かけている計算になります。(実際は残業手当は1.2倍でしたので、この作業だけで1,670,000円のお手当が支給されたわけで逆に考えますと私の年収の1/3以上がこの作業で頂けたのですが)

今なら、工数を計算して上司に直訴していると思いますが、当時は何も考えていなかったのも有りますが、残業手当が魅力的でしたので「そんなもんだ」と納得して居りました。

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2019年11月22日

ツールプリセットとは 1

ツールプリセットについてシリーズ化して説明をしてまいります。今回は初級編です。

加工機械は一般的にパスと言われる加工プログラムを元に各軸を稼働させ主軸で工具を回転させて材料を加工して参ります。マシニングセンターと呼ばれる機械には必ずATC(オートツールチェンジャー)が付属しており、自動的に工具が取り替えられて加工を行います。

パスと呼ばれるプログラムは一般的にCAMというソフトを用いることでCAD図面等から自動で生成されますが、使用される工具の長さ(工具長)と径(工具径)形状がインプットされていませんと当然ですがプログラムを作成できません。

そこで初級編としては形状と径はツールのカタログスペックを入力し、工具長については取り付け方やツーリングによっても変わりますので、下の写真のような、工具先端が接触すると信号が出るような機器を用いて工具長を手動で1本1本測定しているのが一般的です。


私も若い頃、同様な測定器を使用して手動で工具長を入力し、使っておりました。ジョグダイアルで主軸を下ろしながら測定するのですが、下ろしすぎて測定器を破壊したこと2回、工具(特に細径)を破損したことは数しれず、工具長の入力ミスで主軸を破損させたこと1回(この時は工場長に目玉が飛び出るぐらい怒られました)今となっては懐かしい思い出です。手動で工具ラックから取り出して主軸につけて測定しておりましたので一本あたり5分ぐらいかかっていたように覚えております。(当時のATCが12本で1時間ぐらいかかっていたと思います)

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2019年11月21日

OEM・特注品に関して

ジェイコア本体、或いはジェイコアエンジンを用いて専用にOEM供給や特注対応をさせて頂いている製品には、それぞれ型番が付与されております。


これらの専用型番が付与されている製品(弊社の標準品ではない)に関しましては、ご発注元企業様以外に供給は行いません。仕様や詳細機能についても非公開とさせて頂いておりますので何卒ご理解賜れますと誠に幸甚です。

これらの特殊製品を加工機械メーカー様、加工企業様などで、ご覧になった、或いは聞いたような場合に於いては誠にお手数ですが、それぞれの企業様あてにお問い合わせ賜われますと幸いです。

特注や専用仕様での開発・製作には都度、対応させて頂いておりますが、専用型番が付与されている製品の詳細についてはすべて非公開としておりますので、例えば「同じ仕様のもの」などのご相談は承れませんので予めご了承ください。OEM・特注仕様については弊社の開発チームがお客様の使い勝手や使用環境にもっとも適した製品を開発いたします。ご利用賜れますと幸いです。

弊社の標準品に関しましては直接弊社宛にご連絡賜われればご回答申し上げます。

2019年08月30日

ご相談賜ります。

ホームページなどで製品をご紹介致しますと、掲載されている製品と関連した案件だけが、お問い合わせの対象のように思われがちですが、元々ものづくりを生業としていた企業ですので恐らく皆様が問題や不便だと感じられるようなことですとか、改善したいと考えられている案件は私どもでも経験済みで有ることが多々御座います。

技やノウハウは勿論のこと最新の情報や技術など、お役に立てる情報も有るかと存じます。お気軽にご連絡賜れますと誠に幸甚です。私達はそれらのお付き合いがすぐさま商売に繋がることは希望しておりません。皆様にとって何か問題や不便を感じられたときのファーストコンタクトの相手(企業)で有り続けたいと考えております。

 

改善意識や問題意識は概ね次のような段階があるように思えます。

1 問題点や改善しなければならないポイントが明確となっているが方法・手段が見つからない。
  過去の事例や知見から最良の対策を共に検討させて頂きます。全体の15%程度がこのレベルに
  あたります。

2 問題点や改善しなければならないポイントは不明だが結果としてタクトや良品稼働率が上がらない。
  現場に常に居りますと、視点が形骸化され、中々本質が見えづらくなるのが一般的です。新しい
  視点として私どものような外部の人間とブレーンストーミングされることで真のポイントが発見
  出来ることが多いです。全体では25%がこのレベルに有るようです。

3 機会が合えば検討したい工程が有る。
  日々現場でものづくりを行っていると問題点を考える前に目の前の仕事をこなせなければならず
  中々じっくり工程を見直すことが出来ないものです。私どもが別件等で訪問させて頂いた折に、
  気になって、こちらからご提案させていただくことが御座います。全体の40%程度があたります。

4 特に問題点は無い。
  時代の先端企業にあっても、問題点や改善点は持たれて居られることが多く、寧ろ、そのような
  文化であるからこそ先端企業を維持されて居られるのだと感じますが、問題を感じられない経営者
  様もいらっしゃいます。勿論、様々な企業様で培われた文化や技術が御座いますし、業界特有の
  事情や背景も有ると存じます。残念ですが接点が持てませんと、ご提案が出来ないことが御座い
  ます。

ご相談にあたって

企業様内で培われた技術には門外不出の事案も多いと存じます。私どもでは事前に秘密保持契約(NDA)等を結んでご相談を承ることも行っておりますのでお気軽にご連絡賜れますと幸いです。

材料選定から工程・工法、出荷検査まで一貫してご提案致します。

お問い合わせ

2019年08月27日

実証試験について

お問い合わせで実証試験のご希望を良く承ります。

工具長や工具径のみの測定のような簡便なものから、形状測定やプロファイル管理などの高度な案件まで御座います。これらの実証試験をお客様の現場で行うのは、段取りに一定程度の時間を必要としますので稼働中の加工機械を止めてしまうことになり、現実的では無いことがあります。

弊社の事業部には専用の実証試験機が有り、NC稼働でX/Y/Z軸だけでなくθ軸も任意で稼働させられますので通信を含めたほとんどの実証試験を行えます。

加工機械だけでなくツールプリセッター等のシミュレーションも行えます。

 

勿論、導入前の検証が必要な場合はお客様での試験も行いますが、希望仕様が固まるまでは弊社内で行わせて頂けますと、より効果的です。

ご検討賜れますと誠に幸甚です。

2019年08月22日

TYPE-0132のサイズについて

TYPE-0132のサイズおよびケーブル曲げ半径に関するお問い合わせが増えてまいりましたので掲載します。


L(上記画像の左右方向)189mm H(上下方向)93mm D(奥行方向)60mm


ケーブルは画像の左より2本となります。曲げRは固定で19mm、繰り返しで75mmです。
スペース的に問題がある場合は、ご注文時にご相談賜われれば、360°及び真下から出すことも可能ですのでお気軽にご連絡賜れますと幸いです。

2019年07月31日

お客様専用仕様(ハード)

4mmφ未満の刃物しか、ご利用されないお客様向けに、本来6.4mmある横方向の画角を4.4mmまで縮小させ分解能を理論上約2.3倍向上させたモデルを製作しました。

 

全長189mm 全高96mm 全幅 60mm 表示分解能1nm(1mmの1,000,000分の1)
工具長・工具径だけでなく、形状までを測定し、フィードバック致します。
弊社はライン品で有っても、お客様の使い勝手や工程に合わせたご提案をさせて頂きます。

 

お気軽にご連絡賜れますと幸いです。

2019年07月29日

カスタム仕様の製作について

加工機械上での機上工具測定やツールプリセッター関連での測定や必要と考えられるデータ取得用の機能を日々、開発してまいりましたが、一方でお客様の工程専用の開発依頼も急速に増えております。

企業様でも今までと同様な既存の加工方法ではなく、製品に同様な機能を持たせつつ、新しい工程等を大学や公設試等と共同研究や、また国プロなどの補助事業や委託事業で新規に開発される案件が拡大しております。

 

当然のように測定する箇所やフィードバックあるいはデータを転送させる機器も異なり、カスタム仕様の開発・製作が求められます。

 

弊社では、上記のような案件にも勿論対応させていただきます。また新規工程の開発段階からの参加も行っており、取得したデータ等のやり取りを始め、必要な知見や技術のご提供も併せて行わさせて頂きます。

お気軽にご連絡賜れますと幸いです。

2019年07月25日

加工機械の共振点について

以前より年に何回かご相談がございましたが、最近、特に増えてまいりました。共振(点)について説明させて頂きたく存じます。

加工時の共振には、切削抵抗によって発生するビビリ等も御座いますが、加工機械自体が持っている共振点(あるいは共鳴)を無視することは出来ません。下記に特にわかりやすく解説されているものづくりWEB様の記述を転記させて頂きます。

固有振動数と共振

外部から力を加えなくても振動を起こす現象があります。この振動のことを「固有振動」といいます。

例えば、音叉(おんさ)をたたくと、音の高さが一定となる固有振動で振動します。

また、同じタイプの音叉(おんさ)を2つ準備して、1つの音叉をたたいて音を鳴らし、もう1つの音叉を近づけると振動をはじめます。このように物体が持つ固有振動数と同じ振動を外部から受けると大きく振動する現象を 「共振」 (音の場合:共鳴) といいます。


固有振動数の単位はHzであり、これは 1秒間に物体が振動する回数 を表しています。(※ 例えば、50Hzの場合、1秒間に50回振動する)

「固有振動数」 と 「共振」 を理解するのに最も分かりやすい例として、誰もが一度は乗ったことがある 「ブランコ」 があります。ブランコは一定の間隔で力を加えると、振れる量が大きくなります。これはブランコが持つ固有振動数で共振するからです。

そして、固有振動数 Fn は以下の数式で表されます。


固有振動数 Fn [Hz]
ばね定数 k [N/m]
質量 m [kg]

固有振動数を求めることは機械設計を行う上で非常に重要です。 例えば、洗濯機がガタガタと大きな音をたてて揺れることがあります。これは共振によるものです。共振は機械の性能を損ない破損の原因につながります。従って機械は運転範囲において共振が発生しないように設計されます。

一般的には固有振動数を高くするのが良いです。固有振動数を高くするためには、先ほどの(1)の式より
• 質量mを小さくする 
• ばね定数kを大きくする → 変形しづらくする。(剛性を高める)
などの方法があります。


危険速度
「危険速度」は「危険回転数」とも言われます。一般に軸の重心が軸の中心線上にくるように、軸を工作することは難しく、若干の偏芯があります。


このような軸が高速回転すると、偏芯により遠心力が発生し、たわみが生じます。速度がある点に達すると、遠心力が軸の剛性抵抗力に打ち勝って、それによって生じるたわみは偏芯を強め、ついには軸の破壊に至ります。

この軸が破壊するに至る速度を 「危険速度」 と言います。

いま質量Mなる回転円板を有する弾性軸において、円板の偏芯をe、軸のたわみをy、角速度をωとすると、円板に働く遠心力Fは、下記公式で表されます。


となるから、危険角速度ωcは、


gを重力加速度とすると、円板の自重Wは W=gM、Wによるたわみをy0とすると、
W=k y0


ωcを固有振動数の公式を使って危険回転数Ncになおすと、


たわみy0は梁のたわみとして求められますが、軸の荷重点・支持条件によって異なってきます。

 

加工機械には、固有の振動周波数が有り、例えば、最大回転数が40,000rpmの加工機械の場合、一回目の共振点が12,000rpmで発生しますとn倍でも現れます。(24,000・36,000rpmですね)これらの領域で加工を行いますと、切削面が荒れたり、最悪の場合、刃物がチッピングを起こして切削抵抗が上がることで更にビビリ振動を発生させます。

この共振点は例えば前記の最大回転数が40,000rpmの加工機械の場合、主軸に原器を取り付け、最小回転数から100rpmずつ上げていき、原器のフレを測定することで検出が可能になります。

 

上記のグラフは回転数による総振れ量の測定で1,000rpmごとのデータですので共振点は確認できませんが、これを100rpmごとにジェイコアで測定を行います。逆に共振点から100rpmずらすと共振は避けられることになります。これによって原因不明の切削面の荒れや工具の破損を未然に防ぐことが可能となります。

弊社ではお客様の加工機械を測定させて頂くフィールドサービスも行っております。

参考文献

切削加工におけるびびり振動(前編)名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 鈴木教和先生
切削加工におけるびびり振動(後編)名古屋大学 大学院工学研究科 機械理工学専攻 鈴木教和先生

2019年07月23日

マシニングセンターとATC

マシニングセンター(machining center:通称MC)は、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えており、一般社団法人日本工作機械工業会によると、以下のように定義されています。

中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工を連続で行えるNC工作機械で、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えています。

引用:『工作機械の種類と加工方法』一般社団法人日本工作機械工業会

 

従いまして、ATC(Auto Tool Changer)が搭載されていない機械は厳密にはMCでは有りません。

勿論、中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど用途の異なる工具を交換しながら加工を行うこともありますが、一般的なのは大きな面積を切削する場合は比較的大きな工具、最小R指定がある場合や細かな造作の部分は小さな(あるいは細径)の工具を選択することではないかと考えます。

 

良い機会なので少々おさらいします。

大きな面積の部分は比較的大きめの工具で切削を行ったほうが、切削面積を大きく取れますので効率が良く、短時間で加工が終了します。一方で最小R指定などがありますと大きな工具では切削成形が出来ない、あるいは、細かな造作の部分は大きな工具では入らない等の事由で小さな工具で切削を行います。

三菱日立ツール株式会社様の製品

しかし、工具径によって周速が異なりますので加工回転数は工具ごとに設定されるため、主軸の伸び量に変位が生じて結果として段差が発生します。多数の加工企業様で、これを嫌い使用される工具の中で一番細い工具で全加工を行うケースが見られます。

小さな(細い)工具で全加工を行いますと問題が2つ御座います。

1 加工時間がかかる

  例えばΦ5mmの刃物で切削すべきところをΦ2mmで行った場合、理論上では2.5倍の加工時間になり
  ます。回転数を上げて、送り速度も上げても一回の切り込み量が少なくなるために思うほどの効果は
  上がらず、結果として加工時間がかかります。

2 摩耗による傾斜が発生する

  小さな(細い)工具で全加工を行いますと工具の摩耗が無視できなくなります。特に大きな面積を持つ
  製品の場合、時間により摩耗で切削量が変化するために傾斜が発生します。

MCにはATCが標準で付いておりますので積極的に使用する方向性がベストだと考えます。段差を恐れて利用しないのは少々、本末転倒ですね。段差が出ない対策をされれば、他方で中ぐり、フライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げなど多種類の加工も安心して行えます。最終的に大きなコストダウンになります。

2019年07月10日

トライアウト後の修正時2

 前回の記事で「スタイラスと工具の座標に整合性が無い」と載せましたら詳細説明のご希望が殺到しました。個別対応が難しくなってしまいましたので、ここで説明させてください。

 当然ですがスタイラスでワークの位置出し等を行う際は、主軸を停止させます。一方で加工を行う時は主軸を回転させますね。この回転が曲者なのです。次のグラフを御覧ください。

青線:Y軸座標変位 赤線:Z軸座標変位

 上のグラフはテーブルサイズが400mmクラスの小型マシニングセンターで回転を0から8,000rpmまで上げ、更に80秒後に10,000rpmまで上昇させた時の工具先端座標をジェイコアに連続で測定させたものです。0から8,000rpmで回転させた瞬間に6μmほどY軸方向にズレが発生しております。このデータは比較的新しい機械で小型な上に精密加工に良く用いられるモデルですので少ない方ですが、それでも8,000rpmでこれだけ座標がズレるのです。大型や少々古いモデルですと30~50μm程度ズレることは珍しくありません。(過去には0.1mm単位でズレることも何回か拝見しました)

 一方、スタイラスは回転させないで測定するわけですから理論上の座標値は全く別の座標系になってしまいますね。

 前回の記事では、この座標系を0-0で合わせると記述しました。手順を示しますね。
1 停止しているスタイラスを測定する
2 ワークを測定し基準座標を決定する
3 加工回転数で回転している工具先端座標を測定する。*1
4 回転した際に発生したズレ量をスタイラスの座標系に0-0で合わせて補正する
5 加工

 この手順で加工誤差は圧倒的に極小化させることが可能になります。また、これらの手順をマクロに組み込むだけで自動で補正を行うことも可能になりますので自動(無人)運転時にも適応が可能となります。

*1 回転数でズレ量が変わりますので必ず加工回転数で測定しなければなりません。

トライアウト後の修正時 (前記事)

2019年05月17日

トライアウト後の修正について

スタイラス測定機能

主に金型等を製造されている企業様よりご相談が多く寄せられております。

一度加工機械から製品を取り外して試し打ちを行い、修正する際に再度加工機械に製品を設置しますが、このときの原点位置出しについて何か良い方法はないかとのご相談を数多く承ります。

トライアウト後の金型修正は弊社の元々の生業が金型製造でしたので当然、同様の悩みを抱えて居りました。(ジェイネットという名称になったのは1997年ですが、それ以前は先代である父が金型の製造をメインとした事業を展開しており、顧客を引き継いで居りまして現在でも金型を製造しております)

T1、T2(昔はT5なんていう現実も有ったらしいです)後の補正は当然加工機械から一度外してしまいますので同一座標で加工を行えません。昔の職人さんは神業でこれらを合わせて居りましたが、気温や回転数、連続加工時間からズレ量を推測できる職人さんは2006~2008年に定年退職されております。

どちらの同業の企業様でも同じだと思いますが、私どもも加工機械メーカー様に一度加工機械から取り外した製品の再加工用の位置合わせ方法を相談致しました。

殆どのメーカー様の回答は同じでスタイラスを用いて原点位置出しを行う手法を提案され、私どもも海外製の高価なスタイラスシステムを導入して対応を行いました。恐らくどこの金型メーカー様も同じでしたよね。

ですが、スタイラスを使用して合わせても段差が生じるのです。

加工機械の主軸位置は気温や加工時間によってZ軸だけでなくX/Y軸も変位しますし、特にY軸方向はジャイロ効果で主軸を回転させた瞬間に変位を起こします。停止しているスタイラスと加工回転数で回転中の刃物は振れなども含みますので相対座標に整合性が無く、マニュアルでの補正は事実上不可能です。

ジェイコアにスタイラス測定機能というモードが有るのはそれを解決するためです。どんなに変位していてもその時のスタイラス座標を測定する事が可能ですので、自動的に原点が補正され、一方で回転する工具の座標もその時点での座標値を同一座標上(同一画面上)で測定できますので0-0で合わせることが出来ます。

この機能を社内で使用するようになってからは職人さんでなくても再加工が簡便に行えるようになりました。オペレーターには製品の通りの出し方だけを教えれば再加工が行えるようになりました。手合わせの作業が必要なくなったことから大きな工数削減になっており、この機能をメインに購入された企業様も多数いらっしゃいます。

逆に既に本製品を導入されて居られる企業様よりも同様のご相談を賜ることも御座いますので私どものPR不足も否めませんが。

スタイラス測定モード

材料の原点位置出しや高さ測定などで使用されるスタイラスの最下点・最右点・再左点座標を測定し出力します。工具測定と全く同一の画像測定座標系を使用することでエアーカットなしで加工を開始することが可能になりますので加工時間を短縮できます。また一度機械から取り外した製品を再度機械に載せる際にも同一座標上(同一画面上)でスタイラスと工具を0-0で合わせられますので段差が生じません。

トライアウト後の修正時2

2019年05月15日

OEMに関する弊社の見解です。

 弊社製品、特にジェイコア(機上工具測定器)に加工機械メーカー様やセットメーカー様より、その企業様独自の製品として開発してもらえないかとのご希望やお問い合わせが多く寄せられております。

 ジェイコアは元々社内設備の自動化のための生産財として開発されており、その後たくさんのユーザー様からのご希望やニーズを受け現在の製品となっております。私どもが求めているのは製品や企業の知名度やステータスではなく、より多くの方々に弊社由来の技術を利用して頂き、お客様の工程に一塵でも貢献させて頂きたいという思いです。

 故に基本プラットフォーム「ジェイコアエンジン」を開発し、アルゴリズムやロジックだけでなく筐体・ハード・スペックまでもご希望に合わせた製品を開発して既に多くの企業様にOEMで供給をさせて頂いております。筐体や操作パネルのデザインもご希望に合わせ製作しますので恐らくご覧になられても弊社の製品とは気づかないと思います。

OEM供給中の製品の一例

 ジェイコア開発チームは製品としての開発グループ「ジェイコア開発グループ」とお客様の仕様に合わせた製品を開発する「アプリケーション開発グループ」に分かれており、多様なニーズにお応えすることが可能です。

 お気軽にお問い合わせ賜れますと幸いです。

2019年03月28日

表面処理品の発送先は?

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2018年5月10日以降は、表面処理品の発送先は新事業所にお願いいたします。
本社に頂きますと処理が遅れることが御座います。


〒343-0024 埼玉県越谷市越ヶ谷1-3-14 文省堂ビル7F
TEL:048-940-0775

2018年04月04日

お問い合わせはどちらにすれば宜しいでしょうか?

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2018年5月10日以降は新事業所の開設に伴い、本社には総務・経理担当しか居りません。各種事業に関するお問い合わせやご相談は、新事業所の方へご連絡賜れますと幸いです。経理関係のご連絡は今まで通り本社へお願いいたします。

新事業所 048-940-0775

本社   048-973-1030

2018年04月04日