ツールプリセットとは 1

ツールプリセットについてシリーズ化して説明をしてまいります。今回は初級編です。

加工機械は一般的にパスと言われる加工プログラムを元に各軸を稼働させ主軸で工具を回転させて材料を加工して参ります。マシニングセンターと呼ばれる機械には必ずATC(オートツールチェンジャー)が付属しており、自動的に工具が取り替えられて加工を行います。

パスと呼ばれるプログラムは一般的にCAMというソフトを用いることでCAD図面等から自動で生成されますが、使用される工具の長さ(工具長)と径(工具径)形状がインプットされていませんと当然ですがプログラムを作成できません。

そこで初級編としては形状と径はツールのカタログスペックを入力し、工具長については取り付け方やツーリングによっても変わりますので、下の写真のような、工具先端が接触すると信号が出るような機器を用いて工具長を手動で1本1本測定しているのが一般的です。


私も若い頃、同様な測定器を使用して手動で工具長を入力し、使っておりました。ジョグダイアルで主軸を下ろしながら測定するのですが、下ろしすぎて測定器を破壊したこと2回、工具(特に細径)を破損したことは数しれず、工具長の入力ミスで主軸を破損させたこと1回(この時は工場長に目玉が飛び出るぐらい怒られました)今となっては懐かしい思い出です。手動で工具ラックから取り出して主軸につけて測定しておりましたので一本あたり5分ぐらいかかっていたように覚えております。(当時のATCが12本で1時間ぐらいかかっていたと思います)

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2019年11月21日