生産工程のコストダウンその2

最近の工具は何故か新しい試みを持った製品が少なくなったように思えます。20年ほど前までは形状や表面処理など、目新しい工具がたくさんあってワクワクしたものでした。なぜ、そんな環境になったのだろうと無い頭をフル稼働させて考えましたが、思いつくことが御座いました。

例えば、その工具を使うと殆どの工程で加工効率が20%ほど向上する工具があったとします。一方で狭い条件域で使用すると効率が100%向上する工具が存在したとして、一般的に受け入れられるのは前者になるでしょう。現場で今までと同様な工程で加工効率が上がるなら何も変える必要が無いからです。しかし、こういった工具技術に関しては革新が頭打ちでノーベル賞ものの新たな発明がなされない限り今後もドングリの背比べ的な状況が続くように思えます。そこで考えるのは後者のパターンです。加工工程やCAMポストの変更、必要に応じては加工パスそのものも手をかけなければなりませんが、工数は激減します。コストも納期も向上するでしょう。また工具メーカーとしても、そういった製品が受け入れられるような市場になれば尖った製品も研究開発され、しいては新たな発明が生まれるかもしれません。

私達は良くも悪くも日本人で80点至上主義的な面がございます。そんな文化や環境はグローバリズムが取りざたされる昨今、改める時期になっているのかもしれないと本気(マジ)で思います。そんな改善もコストダウンには必要なのですよね。

ビッグデータ等がAIの発展とともに有用活用されるようになり、まだ初期状態では有りますが、その工具を使用すると狭い加工環境の中で驚くほどの性能を発揮するというようなデータも集まりつつ有ります。若い頃に夢見た完全自動工場には未だ程遠いですが技術革新は割と身近になると考える次第です。

2024年02月08日