車に想うこと

若い頃は趣味を聞かれると「音楽と車」と答えておりました。音楽の話はそれだけで大概なボリュームになってしまいますが、今回は車について少々語りたいと思います。

父が無類の車好きで小さい頃から晴海で開かれていたモーターショ-には良く連れて行かれました。(恐らく子供をダシに自分が行きたかっただけだと思います。)そんなわけで物心がついた頃から、その年令には全く必要のないメカニズムや形式が植え付けられておりました。

免許を取得して初めて買った車は71トレノ(知ってる人は少ないですよね。)でした。

 

名機と言われた2TGエンジンで115ps フロントはストラットリアは4リンクであったと思います。楽しい車でしたが、コーナーリングは得意ではないように感じました。

その後、スカイラインジャパンGTX(前期丸目)>MR2(AW11)>ソアラ(GZ20 3.0ターボ)>マークⅡツアラーV(JZX90)/レガシーGTB(2台持ち)>フーガ4.5GT>mini R60 JCWという遍歴です。

途中、結婚して子供も授かったことから大人しめの車にもしましたが、また夫婦だけになりましたので制限なく選択できるようになりました。

恐らく次に購入する車が人生最後の車だと想います。そこで本題(前置きが長すぎました)なのですが、最後を飾る車は何かと考えることが多くなりました。様々な型式の車に乗り自分でも結構手を入れ、フルノーマルで乗ったものは皆無でした。仕事(会社や職場)で乗った車も含めると相当数になります。ノーマルSOHCから4バルブターボ、ハイブリッド、電気自動車、FR,FF,MR,4WDなどなどエンジンや駆動方式も多種ありますが、消去法でまず、ハイブリッドや電気自動車は感覚が合わず怖いので候補にはなりません。一方で速さを求めるなら絶対的にパワーの出しやすいターボ車、安定性を求めるなら4WDであろうと思います。(今のminiがその組み合わせです。オンザレール感覚でとにかく速いです。)ですが、何か物足りなさを感じてしまいます。決して速さや安定性を求めていたわけでは無いことに気付かされました。人生最後の物は、ノーマルアスピレーションで且つ高回転まで回ってくれるエンジンを持った後輪駆動の車が良いなぁと考えます。移動のためのみやサーキットでの速さが目的ではなく乗って楽しい、その時間を大切に想える1台が相応しいと行き着きました。きっとそんな人もいらっしゃるのではないかと存じます。

時代は省エネ、脱炭素に向かっていると思います。そんな風潮からは離れます。また、そぐわないのも承知しておりますし、批判や反対しているわけでも御座いません。寧ろそういった流れが新たな技術を生み出すだろうと信じております。しかし昭和生まれで「サーキットの狼」世代の私には住みにくい世界になったと感じてしまいます。仕事ですと効率やコスパが優先ですが趣味の世界、まして自らが操作するものには好みが色濃く出ますね。

もう一つ希望ですが若い世代の方々にも自らがいじれる、あるいはメカニズムに精通されるような文化は残っていてほしいと願っております。同業他社の経営者様、技術者様にも当時の車の話題で盛り上がれることも多く、そういったコミュニティーも大切に想えます。

昭和爺の呟きでした。

2024年04月03日