振れ測定について

ユーザー様から振れ測定についてのお問い合わせを頂く機会が御座います。簡単なご説明をさせて頂きます。

本製品は工具先端の振れを3種の要因に分離して測定する機能が御座います。

1 基準値差(同芯状の振れ)
  工具(原器)を回転させたときに、全体的に太くなる振れで主に焼き嵌めツーリング等の
  センターが経年変化等によりずれることで発生します。

2 軸ブレ量(振動による振れ)
  機械振動で発生する振れで、加工機械の主軸やクーラント廻りの振動で発生します。この
  振れ量は回転数で大きく変化します。もっとも大きな振れが発生する回転数は共振点で
  あることが多く、切削面に粗さが現れますので、その回転領域は避けるべきです。

3 軸幅最大最小差(すりこぎ状の振れ)
  工具(原器)の先端と根元付近で振れ幅が異なり、すりこぎをするような運動になります
  コレットへの取付け不良やスピンドルのベアリング等の摩耗で発生します。

 

※ 一般的に振れ測定は加工機械や主軸の判断を行うのに用いられます。従いまして、工具
  自体の振れを排除するために原器を用いることが望ましいです。焼き嵌めツーリング等に
  固定し、取り外しせずに常に同じセットでお使い頂くのが理想的です。
  加工に必要な工具の振れは、一般的な径測定で加工機械自体の振れ量と工具の振れ回りを
  含めた工具径を出力します。
  (原器:先端が500μmφで製作されたゲージです。販売店様にお問い合わせ下さい)
  

上のグラフは5,000~50,000回転までの振れを測定し、要因別とトータルの振れを表したものです。

 

2017年10月16日