ユーザー層のイメージ(精密加工?)

Q
ユーザー層は精密加工がメインでしょうか。

A
一般的な加工を行っている企業様が97%です。
発売当初は研究機関や精密加工を行っている企業様への納入事例が多かったのですが、現在では納入先の97%が一般的な金属加工企業様です。

本製品をご紹介申し上げますと、「弊社(お客様)は精密加工はしていない。」というお声を良く伺います。「図面上の公差は0.05~0.1mmレベルだから必要ないかな」このようなご意見が一般的だと思います。

しかし、金型や治工具でも平面平坦度指定や段差なき事等の指示が有ることも一般的です。例えば図面の指定は一般公差であっても平面平坦度指定を実現し段差を回避するとなると実際の出来上がりは、それらの指示が事実上の公差となってしまいます。

金型や治工具を製作する現場においては、大きな面積の部分はできるだけ大きい工具で切削し、細かい造作部分を小さい工具で加工するのが、最も安く早く行える工程だと思います。段差を発生させないために小さな工具で全加工を行っている企業様もございますが、それに見合う価格設定だから可能になるはずです。

大小の工具を使い分ければツールチェンジが必要になります。加工回転数は工具の径や種類によって異なります。この回転数の違いでモーターやベアリングの発熱量が変化し、工具先端の座標が変わることで平面平坦度や段差の問題が起こります。

下の写真はユーザー企業様が本製品の性能検証を目的に、0.5Rのボールエンドミルと0.5Rのラジアスエンドミルを用いて自動運転で円形加工を行ったもので、中心の重なり部分は両方の刃物で加工しています。

左:0.5Rボールエンドミル 右:0.5Rラジアスエンドミル
材質:スタバックス 使用機械:牧野フライス製作所様製V33i

双方の段差は0.1μm未満に収束しています。このレベルの段差であれば、例えば金型では磨き工程は非常に短時間で行えますし、外注様で磨きを行う際にも見積もり金額は異なってくるでしょう。また治工具でも平面平坦度や段差を気にせずに加工が行えるでしょう。

一本の工具での加工時間が長い大物の製品においても、一定時間ごとに自動で測定させて補正を行うことで摩耗や工場の温度変化で発生する【傾斜】も同様に解決します。

現在、本製品を納入させて頂いておりますのは、大手企業様だけではなく、中小零細企業様まで、このように加工を自動で実現し、コストダウンと納期の短縮のためにご利用されるユーザー様となっております。
2017年10月01日