刃部材料の特徴と用途
刃部材料 規格 特徴 主な用途
炭素工具鋼
合金工具鋼
JIS G 4401
JIS G 4404
安価ではあるが、高温硬度が低い 低速切削
高速度工具鋼 JIS G 4403 俗にハイスと呼ばれる。高温硬度、じん性に優れる。熱処理により、所定の性能を得るが、その温度は成分により異なり、かつ、適正温度範囲が狭い。このため、熱処理には注意を要する。 W-Co系:一般切削
W-V系:難削材切削
Mo系:断続切削、重切削
超硬合金 JIS H 5501
JIS B 4053
タングステン、チタン、タンタルなどの高融点炭化物(WC、TiC、TaC)と結合材(Co)から成り、粉末冶金法により、焼結して製造される。常温でも高温でも硬度が高く、耐磨耗性に優れる。 P種:鋼切削用
M種:一般、難切削材用
K種:鋳物、非鉄金属、その他
超微粒超硬合金 - 超微粒子のWCを使用した超硬合金、じん性に優れる。 重、断続切削。微小切込み、低速切削
コーティッド超硬合金 - 超硬合金母材に、数ミクロンの厚さにTiC、TiNあるいは、Al2O3などを表面に被覆したもの。母材の持つじん性と被覆合金の高い耐磨耗性を兼ね備える。 一般切削(汎用)
サーメット CIS 015*
CIS 016
CIS 017
TiCやTiNを主成分とし、これを鉄系金属で結合したもの。耐磨耗性、耐熱性に優れ、金属との反応に対して安定。耐溶着性に優れる。 高速鋼仕上げ切削
セラミック CIS 014 Al2O3を主成分とした酸化物焼結体。高温硬度が高く、高速切削が可能。 高速鋳鉄仕上げ切削
ダイヤモンド - 最高の硬さを持つ。したがって耐磨耗性に優れる。高価なこと、もろいことが欠点。 非鉄金属材料の精密切削
ダイヤモンド焼結体 - 微粒の人造ダイヤモンド結晶体を高温、高圧化で焼結し、多結晶集積体としたもの。常温、および高温で硬度が非常に高い。鉄以外の材料に対して化学的に安定。 非鉄金属切削、非金属材料切削
CBN焼結体 - ダイヤモンドに次いで硬いCBNの微粒を高温高圧化で焼結したもので、金属との反応が極めて低く、かつ高温での安定性にすぐれる。 超硬合金、焼入鋼、チルド鋳物などの
仕上げ切削
*超硬工具協会規格